歯周病ってどんな病気?
公開日:2022年4月12日/更新日:2023年4月5日
みなさんは、歯周病がどんな病気かご存知ですか?歯周病はお口だけにとどまらず、様々な全身疾患を引き起こす要因となります。また、年齢に関係なく、子どもや若い⼈でも⻭周病になりますので、注意が必要です。
歯周病セルフチェック
まずは⻭周病セルフチェック︕
● 歯肉の色が赤い
● 疲労時やストレス時に歯茎が腫れたり浮いたような感じがある
● 歯と歯の間に食べ物がはさまりやすくなった
● 歯が長く伸びてきた
● 歯を磨くと出血する
● 朝起きたとき口がネバネバする
● 歯がグラグラする
● 口臭が気になる、指摘されたことがある
1つでも当てはまったら、⻭周病の可能性があります。日本人の8割が歯周病と言われており、歯を失う原因の第1位です。自分では大丈夫と思っていても油断大敵です。
そこで今回は歯周病がどんな病気か、また全身疾患とのかかわりや治療方法、早期発見・早期治療や予防が大切な理由などをご紹介します。
歯周病とは?
歯周病は、お口の清掃が行き届かずに残ったプラーク(歯垢)や歯石の中の細菌によって炎症が引き起こされ、歯を支えている歯茎や骨が破壊されてしまい、最終的には歯が抜けてしまう病気です。初期段階では自覚症状がほとんどないため、気がついた時には歯周病が進行していることもあります。
歯周病と全身疾患
歯周病は、⻭茎の炎症に関連した物質が⾎管を経由して体中に⾏き渡った結果、糖尿病や動脈硬化、⼼臓病、呼吸器系疾患、低体重出産、さらには認知症など様々な体のトラブルのリスクを高めてしまいます。歯周病はお口だけの病気ではないということを意識して、早期発見・早期治療、予防の継続を心がけましょう。
歯周病の進行
健康な状態
歯と歯茎の隙間がなく、歯茎が引き締まっている状態です。
軽度歯周病
少しずつ蓄積されたプラーク(歯垢)が歯石に変わり、歯肉の炎症が強くなった状態です。歯肉の腫れや出血などを伴います。
中度歯周病
歯石の付着が多くなり、歯を支える骨が破壊されて、歯周ポケットが深くなった状態です。出血や腫れだけでなく、口臭といった症状があらわれます。
重度歯周病
歯周病が進行して、歯肉は化膿して腫れた状態です。歯を支える骨の大部分が破壊されて、歯がグラつき始めます。歯を失ってしまうこともあります。
子ども(乳歯)の歯周病
子どものお口に見られる歯肉炎も、歯周病の一種です。乳歯の場合は悪化することは稀ですが、そのままにしていると、乳歯から永久歯に生え変わっても歯周病になる可能性が高くなります。
また、子どものお口が健康な場合でも、食器の共有やキスなどを通して、歯周病や虫歯などを引き起こすお口の細菌が、大人から子どもへうつることもあり、家族に歯周病や虫歯の人が居るとそのリスクがアップしてしまいます。そうならないためにも家族みんなで予防に取り組むことが大切です。
正しい仕上げ磨きが知りたい、子どもが歯磨きを嫌がるなど、お悩みの方は歯科医院で相談してみましょう。
歯周病の治療について
歯周病が原因で下がってしまった歯茎や、破壊された歯周組織は残念ながら自然に元通りに戻りませんが、正しいケアを継続していくことで、歯茎の炎症を抑え、これ以上悪くならないように予防していくことが歯周病治療の目標です。そのためには、歯科定期検診に通うことや正しいセルフケアの実践など患者様の協力が必要不可欠です。二人三脚で一緒に健康なお口を目指しましょう。
歯周病は早期発見と早期治療・予防が大切
歯周病は自覚症状に乏しく、気づかないうちに進行するため、ご自身でなかなか気が付くことが難しい病気です。発見が遅くなるほど、歯周病が進行し、治療にも時間がかかります。そうならないためにもかかりつけの歯科医院を持ち、歯科定期検診でお口を継続的に管理することで、小さな変化にも気が付くことができ、歯周病の初期症状を早期発見と治療・予防することができます。
歯科定期検診は、お口の状態が安定してくると2~3か月に1回のことなので、忘れずに受診してくださいね。
当院では、専用の器具を用いて歯茎の中に隠れている歯石を取り除く「歯周病治療に効果的なSRP」や、洗口用水で口をすすぐだけの「お口のリスクを診断する唾液検査」を行っております。ご自身のお口の状態を知ることは、効果的な予防方法と予防への意識向上にも繋がります。気になる方はお気軽にお声がけください。
SRPと唾液検査について、詳しくは予防歯科をご覧ください。
まとめ
今回は歯周病がどんな病気か、また全身疾患とのかかわりや早期発見・早期治療や予防が大切な理由などをご紹介しました。歯周病だけに関わらず、虫歯などお口のトラブルは自然に治りません。また、お口の健康は体の健康にもつながることを意識して、効果的な正しい口腔ケアを実践しましょう。
当院の歯周病治療ページも併せてご覧ください。
参考
e-ヘルスネット https://www.e-healthnet.mhlw.go.jp/information/teeth/h-03-004.html
記事監修医
交野市倉治の歯医者
おがわ歯科こども歯科クリニック
院長・歯科医師 小川洋平
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