歯の治療に何度も通わないといけないのはなぜ?

「歯の治療に何度も通わないといけないのはなぜ?」「治療は終わったのに、なぜ歯医者に来てくださいと言われるのだろう」と疑問に思ったことがある方もいるのではないでしょうか。

今回は、なぜ歯の治療が1回で終わらないのか、治療後にも歯医者に通って欲しい理由についてご紹介します。

 

歯の治療が1回で終わらない理由

歯科治療は段階的な治療や経過を観察することが多い

虫歯治療の流れ

図は、進行した虫歯治療の例ですが、このように歯科治療は、歯を削る、型を取る、詰めるなど段階的な治療が多くあります。また、ごく初期の虫歯はフッ素を塗布して様子を見たり、歯の神経の処置では丁寧に歯の根の消毒をして経過を観察することもあります。特に歯周病治療の場合は、お口のクリーニングを継続して行い、長い期間経過観察し、悪化しないように維持していくため、定期的な通院が必要になります。

このように、歯科治療は段階的な治療や経過を観察することが多くあります。

 

保険診療のルール

保険診療のルール

保険適用の治療は、平等な医療提供のために一度の通院でできる治療に制限があります。そのため、複数回に分けて通院していただくことがあります。

 

患者様への負担を考慮

定期健診

複数の歯の治療が必要な場合には、食事や生活に支障が出ないよう、噛み合わせを考慮しながら順番に治療を行います。また、長時間口を開けたり、同じ体勢が続いたりしないように、患者様への負担を考慮しています。

当院では、お子様が歯科医院が初めての場合や治療を怖がってしまうときは、緊急でない限り無理に治療をいたしません。徐々に歯科医院の雰囲気や器具に慣れるところから始め、「こわい」「いたい」を感じさせないやさしい診療を心がけています。そのため治療に時間や回数がかかってしまうこともありますがご理解をお願いいたします。口を大きく開けたり、上手に治療ができたときは保護者の方もお子様の頑張りを褒めてあげてくださいね。

 

治療が終わっても歯医者に通って欲しい理由

治療の繰り返し

治療をしたから終わりではありません。虫歯治療をしたとしても、しっかりケアをしなければまた同じ歯が虫歯になることもあります。治療を何度も繰り返すことで、削る範囲が大きくなり、いずれ歯を失ってしまいます。

歯科定期検診を受けて、ご自身でも正しいセルフケアを行い、虫歯や歯周病を予防することで、ご自身の健康な歯を多く残すことができます。

また、歯周病の影響はお口の中だけにとどまらず、糖尿病や心疾患、脳卒中や脳梗塞、認知症、骨粗鬆症、早産など様々なリスクを上げる恐れがあります。

自分はしっかり歯磨きしているし大丈夫と思っていても、気が付かないところで虫歯や歯周病になっていることもあります。

このことから、継続的に歯科定期検診に通い、健康なお口を維持することはとても大切です。

 

治療や検診になかなか行けない方へ

定期健診

仕事や学校が忙しい、面倒、一度歯医者に行かなくなったら行き辛くなったなど、通院を諦めてしまう方もいらっしゃいますが、虫歯や歯周病は自然に治ることはありません。また、症状が進行するにつれて治療期間が延びたり、治療費の負担が増えることもあります。そうならないためにも、あきらめずにまずはしっかり治療をしておきましょう。

スケジュールに余裕がない、小さい子どもがいてなかなか歯医者に行けないなど、一度かかりつけの歯科医院で相談してみても良いでしょう。

当院では、お子様と一緒に入れるファミリールーム診療室や、予約制の院内託児も行っておりますので、お気軽にご相談下さい。

 

下記のコラムも併せてご覧ください。

歯の治療途中で通院をやめてしまった方へ-リスクと当院の取り組み-
 

院長・歯科医師 小川洋平

記事監修医

交野市倉治の歯医者
おがわ歯科こども歯科クリニック
院長・歯科医師 小川洋平
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