歯科用レントゲンの疑問!安全性や用途について
歯科医院ではお口のレントゲン撮影をすることがあります。歯と歯の間や歯の根っこなど、外から見ただけではわからないお口全体の情報を得るために欠かせない検査のひとつです。
しかしレントゲンと聞くと、安全性は大丈夫なのか心配になる方もいらっしゃいます。
そこで今回は歯科用レントゲン撮影の安全性や必要性などよくある疑問についてご紹介します。
歯科用レントゲンの安全性
図は、放射線被ばくの早見図です。歯科撮影での放射線被ばく(図の左側の人工放射線の一番下)は、1人当たりの自然放射線(年間約2.1mSv)日本平均よりも低く、人体への影響は少ないことがわかります。
(引用:国立研究開発法人量子科学技術研究開発機構 https://www.qst.go.jp/site/qms/1455.html)
さらに、当院で導入しているデジタルレントゲンは、従来のレントゲンと比べて少ないX線でより被ばく量が軽減されています。また、撮影時には防護服(鉛のエプロン)を着用することで、より安全にレントゲンを撮影することができます。
このように、歯科用のレントゲンは人体に影響なく安全ではありますが、妊娠されている方など心配な場合は、お気軽にスタッフまでお声がけください。
レントゲンからわかること
患者様からヒアリングをしたり、お口の中を診ただけでは、全体を把握することは出来ません。
お口のレントゲンでしかわからないことも多くあります。
- 歯の根や骨の状態
- 詰め物・被せ物の下の虫歯の有無や進行度
- 親知らずの有無や生え方の状態
- 歯茎の下に隠れた歯石や炎症
- 顎関節の状態
- 歯の生え変わりの状態 など
正確な診断で安全に歯科治療を行うためには、患者さんの主訴とそれに基づく検査結果が必要不可欠です。
また、お口のレントゲンは初診時にお口全体を確認するためにだけでなく、定期的に撮影することで隠れたトラブルを早期発見・対応することができます。また、お口の変化を記録として残すことで、ご自身のお口への関心やモチベーションアップにもつながります。
レントゲンの種類と用途
歯科用レントゲンには、主に次のようなものがあります。それぞれ用途によって使い分けています。
パノラマ
歯や顎の状態など全体像を把握することができます。初診時に撮影することが多いレントゲンです。
デンタル
2~3本の歯の状態を詳しく見るときに使用します。小さいフィルムをお口の中に入れて撮影する部分的なレントゲンです。
CT(シーティー)
CTは3次元で立体的にお口の状態を撮影することができます。インプラント治療など外科的な処置の際の精密な検査に使われます。
保険診療でも、歯根の先の膿の状態や、埋伏した歯の確認に利用します。
セファログラム
セファログラム(頭部X線規格写真)は、顔面・頭部のレントゲン写真で、主に矯正治療を行う際の分析や診断などに使用します。
まとめ
今回は、歯科用レントゲン撮影の安全性や必要性などよくある疑問についてご紹介しました。
歯科用のレントゲンは安全性も高く、当院でも正確な診断と安全な治療を行うために、必要に応じて撮影をしておりますので、皆様が少しでも安心して治療をうけていただけると幸いです。
お口のレントゲンを撮影する際に、不安や疑問がございましたらお気軽にお声がけください。
参考
テーマパーク8020 https://www.jda.or.jp/park/trouble/index22_04.html
国立研究開発法人量子科学技術研究開発機構
https://www.qst.go.jp/site/qms/1455.html
記事監修医
交野市倉治の歯医者
おがわ歯科こども歯科クリニック
院長・歯科医師 小川洋平
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