口腔ケアで誤嚥性肺炎を予防しよう
肺炎は一般的に呼吸器系の疾患として知られていますが、実は口腔ケアが不十分な場合に、誤嚥性肺炎を引き起こすリスクが高まる可能性があります。
今回は口腔ケアと誤嚥性肺炎の関係と、予防方法についてご紹介します。
誤嚥性肺炎と口腔ケア
誤嚥性肺炎は、飲み物や食べ物、または唾液が誤って気管に入り、これらと一緒に細菌が入ってしまうことが原因で引き起こされる肺炎の一種です。
高齢者や認知機能が低下している方、飲み込む機能や咳の反射が低下している方などが特にリスクにさらされています。お口の中が清潔に保たれていないと、さらにリスクを高めることに繋がってしまいます。特に歯周病菌は血管内に侵入して全身に回り、誤嚥性肺炎だけでなく、様々な疾患を引き起こすリスクを高めてしまいます。
「若いから自分には関係ない」「しっかり歯磨きをしているし大丈夫」と思っていませんか?歯科医院でしっかり確認してみると、気が付いていないだけで、虫歯や歯周病が進んでいることも。お口の機能の低下や、虫歯や歯周病などのトラブル予防は、日々の積み重ねが大切です。
予防方法
口腔ケアの徹底
歯磨きは「正しく磨けている」ことが大切です。かかりつけの歯科医院をもち、ご自身のお口に合った正しい歯の磨き方を身につけて実践しましょう。デンタルフロスや歯間ブラシなどの補助具も使って隅々まできれいにしましょう。
また、定期的に歯科検診やクリーニングを受けたり、日ごろの口腔ケアができているかなどアドバイスを受けましょう。
口腔機能の維持
口腔ケアとは、歯磨きなどお口を清潔にするだけでなく、噛む・飲み込む・喋るといった口腔機能の維持・回復も含まれます。よく噛んで食べることや、うがいなどの日常の動作をしっかり意識して行うこともお口のトレーニングになります。
下記に様々なお口の体操も紹介されていますので、挑戦してみましょう。
かみかみゴクゴク体操(ライオン歯科衛生研究所)
https://www.lion-dent-health.or.jp/kamikami-gokugoku-taiso/
食事の際の工夫
バランスの良い食生活はもちろんですが、食事をするときの正しい姿勢を意識したり、ゆっくりよく噛んで食べることも誤嚥を予防します。椅子に座って食事ができる方は、足の裏が床につく高さの椅子で、姿勢を正して、時間にゆとりをもって食事をしましょう。
高齢の方など、ご自身で姿勢が保ちにくい場合は、クッションを腰に当てるなど工夫すると良いでしょう。また食べ物にとろみをつけたり、一口の量を少なくしてゆっくり食べるなど、ご自身の状況に合わせて、無理なく食べる楽しみを感じることができる工夫をしましょう。
まとめ
今回は口腔ケアと誤嚥性肺炎の関係と、予防方法についてご紹介しました。口腔ケアが誤嚥性肺炎のリスクに影響を与えることを理解し、日ごろから適切なケアを行うことで、健康な口腔状態を維持しましょう。
当クリニックでは、予防歯科を通して、生涯自分の歯で食事をすることを目標に、みなさまの歯の健康を守るサポートをいたします。歯科定期検診をはじめ、お口の状態が数値とグラフで分かる唾液検査や、歯周病治療と予防に効果的な処置などもございますので、まずはお気軽にご相談下さい。
記事監修医
交野市倉治の歯医者
おがわ歯科こども歯科クリニック
院長・歯科医師 小川洋平
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